(■2019/7/20 タイトル・本文における「瞳孔+虹彩」の名称を「瞳」→「黒目」へ変更。
「瞳」は瞳孔のみを指すことが多く、紛らわしいため修正しました。)
ヒトの目は白目が外からはっきり見えますが、ヒト以外の動物では白目はほとんど隠れて外から見えません。
ヒトは他の動物と違い、目線を使ったコミュニケーションをするため、特別に白目が外から見えるようになっているということらしいです。
参考:強膜 – Wikipedia
ポケモンの場合、キャラクターとして表情をつけやすくするためか、白目が描かれているものが多くいます。
中にはモデルになった生物の目のデザインに一捻り加えて、全く違う構造の目になっているものも。
……何を言っているかよくわからないと思うので、ひとまず実例を挙げてみます。
瞳孔→黒目へのアレンジ
猫の目は先述の通り、外から白目はほとんど見えません。
目全体に黒目が広がっており、虹彩の真ん中には瞳孔があります。
瞳孔は周囲の光の強さに合わせて、大きく丸くなったり細くなったりします。
瞳孔を「黒目」と呼ぶこともありますが、以下の本文では「黒目」=「虹彩+瞳孔」のことを指します。
しかし、ばけねこポケモンのニャースの場合は、
目全体が白く、真ん中に縦長の黒い瞳孔…ではなく、よく見ると黒い部分の上に白い光の点(ハイライト)が描かれています。
黒目の部分の表面は角膜で覆われ、眼球の球面より少し外側に突き出した構造になっているため、ハイライトが入りやすく、イラストでは黒目の部分にハイライトが描かれることが多いようです。
そのため、このニャースのイラストも黒い部分のみが黒目として描かれていると思われます。
要するにニャースの目は、
猫の目の虹彩→白目に、瞳孔→黒目に置き換えたデザインということです。
黒目が縦長って、リアルの動物では見られない2次元特有の大胆なデザインな気がします。
このように、元の動物の瞳孔の部分を黒目に置き換えたデザインのポケモンは他にもいます。
見分け方としては、ハイライトが描かれていたり、中心に黒い点や線(瞳孔)が描かれていたりするものは確実に黒目であるとわかります。
例えば…
などなど。
ペルシアン、ブニャットは進化前のデザインから推測しました。
ケロマツ系はリラックスしている時に黒い部分が横長になるのは、カエルの瞳孔をイメージしていると思われます。なので初見ではこの部分が瞳孔だと思っていたんですが、中にハイライトが描かれているので黒目としか思えないんですよね。
これは恐らく、ポケモンは黒目の形を変えることができるか、もしくはただの漫画的デフォルメで実際は閉じていないんでしょう。
このほかにも、モデルの動物が曖昧なものが多いため判別は難しいですが、黒目が縦長のポケモンは縦長の瞳孔を意識してデザインされた可能性があります。
黒目・瞳孔・白目の判別
上に挙げたポケモンは黒目の位置が判別しやすかったんですが、判別が難しいポケモンもいます。
ブラッキー
ハイライトは赤い部分と中央の黒い部分にまたがっています。この目、赤い部分は白目? 虹彩?
…実は、ウルトラサン版の図鑑説明文に「大きな瞳」(=瞳孔?)との記述があるので、黒い部分が瞳孔、赤い部分が虹彩のようです。
ニャオニクス
目の外側と内側で色が違い、外側と内側の境あたりにブラッキーと似たようなハイライトが描かれていますが…
目全体の上半分の色が濃いので、外側の色の部分が白目なのは不自然かもしれません(虹彩は平らに近いのに対して白目は球形なので、白目がここまで大きいと影は下側に落ちるはず)。なのでブラッキーと同じく、外側は虹彩、内側は瞳孔だと個人的には思います。
ただアニメ版だと目の中の色が違う部分の中心に瞳孔っぽいものが描かれていたり、メスの目の下側に影が描かれていることがあるので、少なくともアニメ版は外側が白目、内側が黒目という解釈のようです。
コダック(実写版)
白い目の真ん中に、ハイライトが確認できないほど小さな点があるポケモンは結構いますが、どうなんでしょう?
コダックの場合、実写映画版名探偵ピカチュウでは、白い部分が虹彩、黒い点は瞳孔として描写されていました。目の端の方に白目が少し見えますが、虹彩との境目は目立たず、目全体が白く見えるようになっています。(参考:名探偵ピカチュウ のコダック、この漫画っぽい「点みたいな黒目」を表情するために、「黒目が小さい」ん… |zen🐊さんのTwitterで話題の画像)
確かにリアルでは白目が大きくて黒目が極端に小さい動物はいないので、この構造の方が現実的かもしれません。
■2020/5/23追記
名探偵ピカチュウ実写版は、リアルにしても不自然にならないようにポケモンのデザイン設定をあえて変えているところもあるようです(キモリの黒目を瞳孔として表現するなど)。なので、本来のコダックの目がこの図のような設定とは限りませんのでご了承ください。
ホルード・デカグース
ホルードやデカグースの、白い眼の真ん中に横長の黒い線が入っているデザインは?
まぶたを開いているのに目を閉じている(?)デザイン、これはちょっとどうなんだと初見で思いましたが……
実写版コダックと同様に、白い部分が虹彩、黒い横線はヤギのような横長の瞳孔だと考えると腑に落ちました。
ただ、デカグースは目を閉じると茶色いまぶたが確認できるんですが、ホルードは目を閉じても横長の線の形が変わるだけなので、ホルードはまぶたが白くて普段から目を細めているのかも。この辺はもうちょい検討が必要ですね。
ダーテング
ちょっと方向性が変わりますが、ダーテングの目の構造ってどうなってるんでしょう? 目の縁の黒い部分って白目なんでしょうか?
公式イラストをよく見ると、 黄色い円形の部分の外側が黒く、黄色の部分の中に黒い点がありますが、点の位置は円の中心より外側にあります。
また、ゲーム本編の3Dモデルで目を閉じた状態を見ると、まぶたは黒く、目の端の黒い部分とつながっているのがわかります。
そのため、黒い部分は白目ではなく、目の外側の皮膚のようです。
目にハイライトがないため、これだけでは黒い点は瞳孔なのか黒目なのか不明です。
アニメ版やポケカでは、縁の黒い部分が目線に合わせて動き、白目として描かれることもあります。公式イラストとは設定が違いますが、設定が変わった? ただ設定がブレているだけ?
となると、どちらにしろ黒い点は瞳孔、黄色は虹彩ってことですかね。
ミネズミ・ミルホッグ
もはや白目虹彩瞳孔どころじゃないくらい同心円状に色分けされていますが。
とりあえず一番真ん中の黒い部分は瞳孔でしょう。
ミルホッグの目を閉じたところを確認すると、まぶたは目尻の色と同じ黒で、目尻の黒い部分はダーテングと同じくまぶたとつながっています。
つまり、ミルホッグの目尻の黒はミネズミと同じく、眼球の一部ではなく目の外側の皮膚のようです。
その内側の赤-黄-赤の部分は、ミネズミ・ミルホッグどちらでも目線と連動して移動するので眼球のようですが、見た目ではどこからが白目でどこからが虹彩かは判別できません。
……と思ってたんですが、画像検索してみたら思いっきり答えが書いてあるミルホッグのアニメ用設定資料を発見しました!
出典:Shiny quaza get and more!: pkmncollectors — LiveJournal(海外の掲示板的なサイト?)
ロゴが被って読みにくいですが、一番外側の赤い部分が白目、黄色~内側の赤い部分は目玉(=黒目?)だそうです。恐らくミネズミも同じでしょう。
これはアニメ用の設定資料ですが、この資料にはゲーム用設定資料に描かれていたポーズ(歩くポーズ)もそのまま描かれているので、ゲーム版の設定が反映されていると思われます。
設定資料と目のデザインが異なるため、恐らくミス
サワムラー
これはちょっと特殊例? 途中で設定が変わったと思われる例です。
ネタ元:【気づいた?】ポケモンのサワムラーってなんで「目のデザイン」変わったの? 初期と全然違うじゃん… | ポケモンまとめマスター
ポケモン全国図鑑Proでは中央の黒い部分が黒目で、白目の周りに黒い模様があるというデザインです。ゲーム初代からずっとこのデザインだったはず。
しかし、ゲーム本編第6世代では目のデザインが変更されています。
白い部分が縦長の楕円形になり、中央の黒い部分はハイライトが消失しています。
(ついでに、頭がちょっと縦に伸びている?)
どうも、白い部分が虹彩、中央の黒が瞳孔というデザインに変更されたようです。
外側の黒は白目…と思いきや、
目を閉じると、目の幅は白い部分までだとわかります。そのため、恐らく外側の黒は白目ではなく、初期と同じく模様…なんですかね?
黒目だけ閉じている可能性もあります。
目線が横を向いている画像があれば、黒い部分が白目か模様かはっきりするのですが、そういった画像は見つけられませんでした。
ミルホッグのように公式設定資料があればこの手の設定がはっきりするのですが……全ポケモンの設定資料集って出ませんかね。ずっと待ってます。
このページの画像引用元(本文中に書けなかったもの)
・ポケモンずかん|ポケモンだいすきクラブ
・ポケパルレ 図鑑順 – YouTube
・ゲッコウガとポケパルレ!! – YouTube
・Anime – Filb.de