イラストのハムスターの柄

 今回のネタはポケモンではなく、実在の動物です。
 ここでは「ゴールデンハムスター」のイラストについて語っていきます。

 ゴールデンハムスターのイラストとして、上に挙げたようなデザインのものをよく見かける気がします。
 ですが、実際にこういう柄のハムスターって見かけないような……特に顔の片側のみのブチ模様やハチワレ模様って、モルモットと間違えてない?

というわけで、ハムスターの柄や模様について調べてみました。

参考サイト:The Golden Times
 リンク先の「 Genetics 」では毛色の遺伝の仕組みについて詳しく解説されています。また、「 Syrian Colours 」には色ごとに実際のハムスターの写真が掲載されています。
 以後の文で紹介する毛色や模様の名前は、基本的にこちらのサイトを参考にしていますが、一部は独自の呼び方をしているため、正しい表記ではない可能性があります。ご了承ください。

毛色と柄の出方

■2020/11/7 画像を差し替え
■2022/4/23 Polywhiteの画像を修正

参考URLリンク
・シリアンハムスターの毛色の遺伝(The Golden Times>Genetics)
The River Road Hamstery:Recessive Dappledの解説(英語)
Riky:Polywhite(正式名称はWhite Bellow/White Sprinkled?)の解説(英語)

※白い模様のうち、ペットではバンデッドが一番よく見られます。ドミナントスポットは潜性(劣性)致死遺伝のためか、バンデッドより見かけることは少ないようです。右の2種類はさらにレア。
 このように、ベースは野生色(背中側が茶色、お腹が白っぽい色、耳はグレー)です。毛色の変異があると色が変わります。さらに白い模様が入る変異もあり、これらの変異が合わさって見た目が変わります。
 実際の発現パターンはこんな感じです↓

参考URLリンク
・ゴールデンハムスター毛色図鑑(The Golden Times>Syrian Colours)

※下段の三毛のハムスターについて補足
 イエローの遺伝子はX染色体上にある伴性遺伝。♀でイエロー遺伝子を1つもつ場合、イエローと元の色がランダムに発現してこうなる……らしい。
  ♀でイエロー遺伝子を2つ持つ場合や、♂が持っている場合は、毛の色は全体がイエローになる。同時にブラックの遺伝子も持っていると全体が茶色(イエローブラック)になるらしい。

 また、白いブチ模様の出方には個体差があります。
 特にドミナントスポットやドミノ(バンデッド×ドミナントスポット)の顔のブチは、出方によって結構顔の印象が変わって面白いです。

ドミナントスポット・ドミノ 顔のブチの例

ということで、冒頭で挙げたイラストのハムスターが実在するかというと…

 左のような腕や太ももの内側が茶色く、顔の下半分からお腹全体にかけて白いのは普通にはいなさそうです。野生色がこれに近いですが、手足の内側は白い方がそれっぽくなるかも。もしくは、体全体が茶色で、アゴからお腹にかけてちょっと白が入ってるもの(イエローブラックなど)はいるようです。まあイラストなので、自由に描いちゃっていいとは思いますが。

 これに対して、顔の片側が白いものや、真ん中に白いラインが入るのは、ドミノという模様で実在することがわかりました。私が無知だっただけというオチ。
 ただ、片側ブチはかなりレアな柄っぽいです。

顔の片側ブチのハムスターキャラ

■2019/9/23追記
 リアルでは少ない、顔の片側にブチが入った柄のハムスターキャラの元祖が気になったので、ネット検索でハムスターキャラを探して調べてみました。

 探した限り、有名どころで一番古いのは右上のエビちゅ? ですが、この柄がハムスターの柄として有名になったのはハム太郎の影響が大きい気がします。(エビちゅの漫画は決して子供向けではないので……)
 この柄をキャラクターでよく見かけるのは、 普通のバンデッド柄だと顔の大半が茶色いので絵面が暗くなるためでしょうか。それに加えて、ほかのハムスターキャラと見分けがつくよう個性を出すために珍しい柄にしたのでしょうが、結局被りまくってハムスターの記号の定番になっちゃってるのが面白い。

 あと、どのキャラも顔の向かって右側にブチがあるのは意外でした。これって、漫画などで主役のキャラが向かって左を向く構図⬇になることが多いから?

 というわけで、顔の片側にブチが入る柄は実際には珍しいことを知っていると、ハムスターのキャラクターに対する見方が変わるかもしれません。
 ハムスターのイラストを描くのであれば、柄のパターンを知ったうえで、イラストだけでなく沢山の写真を参考にするのがいいかなと思います。